スコトーマ(スコトーマの原理)とは、脳の「心理的盲点」のことであり、自分にとって重要ではないと判断した情報を認識からシャットアウトし、見えなくする仕組みのことを指します。
この原理は、苫米地式コーチングにおいて、ゴール設定がなぜ「現状の外側」でなければならないかを説明する上で非常に重要な概念です。
1. スコトーマの定義と機能
脳の盲点: スコトーマは「脳の盲点」と簡単に説明されます。
効率化の仕組み: 人の脳は、処理する情報量を効率化するため、自分にとって重要ではないと判断した情報を認識から外します。網膜には映っていても、脳がそれを認識しようとはしません。
自我との関係: 人が認識する「現状の世界」とは、自分にとっての重要度で世界を構築する自我関数が作り上げた世界、すなわち、自分にとって重要だと思うものが集まった世界です。
2. 日常生活におけるスコトーマの具体例
私たちは日常的にスコトーマによって多くのものを見落としています。
見落としの例: 上司や同僚のネクタイの柄や、重要だと思っていないものの服装を覚えているかというと、実際には見ていても認識できていないことが多いです。
物理的限界との関連: スコトーマは、光や音の波長のように五感の物理的な限界によって情報が限られていること(例:人間が聞ける音の周波数の範囲は狭い)に加え、心理的な重要度によってさらに情報が選択されることで生じます。
3. ゴール達成におけるスコトーマの役割
コーチングにおいて、スコトーマは「現状の外側」にあるゴールを設定する際の大きな障害であり、同時に解消すべき対象でもあります。
現状の外は見えない: 現状のコンフォートゾーンの中にいる限り、脳は現状維持に必要な情報しか重要だと認識しないため、現状の外側にある世界(ゴール達成のチャンスや方法)はスコトーマによって見えません。
ゴール設定の目的: 「現状の外にゴールを設定する」とは、この「見えない世界にゴールを設定してください」ということです。
臨場感による解消: ゴールを現状の外に設定し、そのゴール側の世界に「臨場感」を高めることで、脳は「ゴール達成に必要な情報」を重要だと認識し始めます。その結果、これまでスコトーマ(盲点)に入っていて見えなかったチャンスやヒントが、突然見えるようになるのです。
スコトーマは、「現状の外のゴール」を見つけることがとんでもなく難しい理由であり、同時にコーチのサポートを受けて「誰の言葉に耳を傾けるか」を吟味することで、クライアント自身がその存在を意識し、解消へと向かう重要な概念です。
