自我(じが)の基本的な定義は、以下の2つの観点から説明されます。
1. 現代分析哲学的な基本定義
自我の基本定義は、「宇宙を入力にして自分を出力する部分関数」のことです。
部分関数として: この定義は、自我関数 f に宇宙のすべての情報を入力すると、自分に関する情報だけが出力される(f(宇宙)→自分)ということを表しています。
分割の機能: 自我関数は、宇宙の中の「自分に関する情報」と「自分以外の情報」とに分ける(部分関数)役割を持ちます。このため、自分を知ることができれば、その逆関数(f−1(自分)→宇宙)によって宇宙全部も知ることができる、というつながりがあります。
人が自分を語る際に、名前、出身地、好きな食べ物など、「自分以外のもの」を大量に定義するのは、この自我関数の働きによるものです。
2. 重要性評価関数としての定義
もう一つの自我の定義は、「自分にとっての重要度で宇宙を並び替える関数」、すなわち「重要性評価関数 p」として定義されます。
重要度の決定: これは、ある可能世界 W(一人ひとりの臨場感世界)において、宇宙のすべての存在間で「x は y より重要」という関係を定義する関数 p を指します,。
宇宙の中心: この自我関数は、その人にとって何が重要でないかを理解することで世界を形づくる作業であり、「その宇宙の中心にあるのが自我関数」であると説明されています(仏教的に言えば「一人一宇宙」となります)。
コーチングにおいて自我は非常に重要な概念ですが、コーチングは自我を書き換える作業を目的とはしていません。自我を書き換えようとするとコーチングは失敗してしまいます。クライアントが心から望むゴールの世界(W2)へ移行した結果として、その新しい世界にふさわしい自我へと自然に書き換わる、というのがコーチングの原則です。
