苫米地式コーチングとは、「並列宇宙(可能世界)W1 から、別の並列宇宙(可能世界)W2 への移行を促す行為」ですが、コーチは何をするのでしょう?
コーチの中心的な役割と作業
- エフィカシーを上げる手伝いをする
- コーチの中心的な作業は、クライアントのエフィカシー(ゴール達成能力の自己評価)を上げる手伝いをすることです。
- 「現状 ($w1$) からゴール ($w2$) へ移行する能力が自分にはある」という評価関数(エフィカシー関数)を構築します。
- クライアントのエフィカシーが上がれば、コーチはセッション中に話す必要さえなくなります。
- 「現状の外側」にゴールがあるかをチェックする
- クライアントが設定したゴールが、本当に「現状の外側」にあるかどうかを外部の視点からチェックします。
- クライアントには心理的盲点(スコトーマ)があるため、自分だけでは現状の外側が見えません。コーチは外側から視点を提供し、クライアントを現状の外へ引っ張り出します。
- 「可能世界 ($w2$)」への移行を促す
- 現状の世界 ($w1$) から、心から望むゴールの世界 ($w2$) へと「世界(ワールド)」を移行させる手伝いをします。
- クライアントにとって一番重要な未来のゴールに従い、現在あるべきコンフォートゾーンを選び出すことを促します。
- マインド(脳と心)の使い方を教える
- 具体的なアドバイスをするのではなく、ゴールを達成するための「マインドの使い方」を教えます。
- 「心からやりたいこと(Want to)」かを確認する
- ゴールが「〜しなければならない(Have to)」ではなく、本音で「やりたいこと(Want to)」であるかを確認し、自分の心の声を聞くように促します。
- 「やりたいことをやりたいだけやりましょう」と言い続ける存在です。
クライアントに対するスタンス
- 絶対的な味方(ドリームサポーター)になる
- 親、兄弟、配偶者以上に、何があってもクライアントの味方で居続けます。
- 現状の外に出ようとすると現れる「ドリームキラー(夢を否定する家族や同僚など)」や同調圧力からクライアントを守り、支えます。
- 未来にのみ関心を持つ
- 「過去は一切関係ない」という姿勢を貫き、話題を未来の可能性に向けさせます。
- 不安を肯定する
- 安心感ではなく、あえて「不安」を与えます(現状の外に出れば不安になるのは当然だからです)。
- クライアントが不安を感じたとき、「その不安は順調な証拠であり、正しい」と伝え、元の世界に戻らないように叱咤激励します。
- 常に笑顔でいる
- 「やりたいことをやっているなら笑顔であるのが普通」という見本を自ら示します。
コーチが「しない」こと(禁止事項)
- コンテンツ(内容)には関わらない
- 「どの株を買うべきか」「どう経営すべきか」といった具体的な中身(コンテンツ)には一切関わりません。アドバイスをした時点で、コーチの限界がクライアントの限界になってしまうからです。
- 自我関数 ($p$) を直接書き換えない
- 「何が重要か」という価値観(自我関数 $p$)を直接変えようとしたり、押し付けたりしません(これを行うのはニセモノのコーチとされます)。
- ゴール設定の結果として、自我が「自然に」変わるのを待ちます。
- アドバイスをしない
- ゴールについて考えるのはクライアント自身であり、コーチは自問自答を見守り、必要以上に口を出しません。
オーセンティック・コーチング2026 ~本物のコーチング~ 苫米地 英人 (著) より
コーチが必要とされる3つの核心的な理由
苫米地式コーチングにおいて、コーチはクライアントの人生を根本から変革し、現状の外側にあるゴールを達成するために不可欠な存在です。その理由は主に以下の3点に集約されます。
1. 現状の外側にあるゴール設定を可能にするため(スコトーマの解消)
人間は、自分にとって重要ではない情報を意識から遮断する「スコトーマ(心理的盲点)」という機能を持っています。これは、現状の世界(コンフォートゾーン)を維持するために働きます,。
現状からは見えない: 「現状の外側のゴール」は、今の知識やスキル、リソースでは達成方法が全くわからない、つまり**「見えていない世界」**に設定されなければなりません,。クライアントはスコトーマが働いている状態なので、自分一人では現状の外側にあるゴールを見つけることが極めて難しいのです,。
外側からの視点の提供: コーチはクライアント自身ではないため、クライアントの現状の外側を見ることが可能です,。コーチは、外側からの視点でクライアントを現状の外へと引きずり出す役割を担います,。
「誰の言葉に耳を傾けるか」の吟味: クライアントが自らの**「心の声」**を聞き、親や社会からの影響(洗脳)を自覚し、スコトーマの存在を強く意識するよう促すことで、初めて現状の外のゴール設定へと進むことができるようになります,。コーチはこの重要なプロセスを導きます。
2. ゴール達成の推進力であるエフィカシーを徹底的に高めるため
エフィカシー(ゴール達成能力の自己評価)を高めることは、コーチングの中心的な作業です,。コーチはクライアントのエフィカシーを上げるお手伝いをします,。
唯一の例外: クライアントが設定したゴールは、ドリームキラー(夢を壊す人)による影響でエフィカシーが下がるのを防ぐため、プロのコーチ以外には絶対に言ってはいけないとされています,,。しかし、プロのコーチは唯一の例外であり、クライアントはゴールをコーチに伝えることができます,。
エフィカシーの構築: コーチは、クライアントのコンテンツ(ゴールの具体的な内容)には関わらず、クライアントが「そのゴールを達成できる」と確信できる力(エフィカシー)の構築をサポートします,,。
創造的回避の逆転: エフィカシーを上げることで、脳のホメオスタシスはゴールの世界を新しいコンフォートゾーンと認識し、現状維持(クリエイティブ・アボイダンス)ではなく、ゴール達成に向けて創造的かつ自動的に働き始めるようになります,,。
3. クライアントの「絶対的な味方」として支えるため
現状の外にゴールを設定し、コンフォートゾーンから抜け出す行為は、必ず周囲からの反対(特に身近な家族や友人などドリームキラー)に遭います,,。
不安の解消と支え: 現状の外に出ることは、慣れ親しんだ場所から出ることを意味し、クライアントは強い不安を感じます,。コーチは、その不安が正しいことだと伝え、不安の中でも頑張り続けることを推奨し、クライアントの心の土俵場を支えるキャッチャーとしての役割を果たします,。
同調圧力からの保護: コーチは、日本社会でしばしば存在する「空気を読むこと」や「和を乱さないこと」といった同調圧力に負けそうになる人たちの支えとなります,。
親兄弟以上の味方: コーチングにおけるコーチは、親兄弟や配偶者よりも味方であり、何があってもクライアントの味方をする存在として断言します,,。クライアントが現状にノーを突きつけた際、現状側からの反撃に対して「何があっても大丈夫」と断言できるのがコーチの覚悟と責任です,。
まとめ
コーチは、クライアントが「人生を丸ごと変えたい」と望むときに、その変革を可能にする唯一の外部的な触媒です。もしコーチがいなければ、クライアントはスコトーマによって真のゴールを見つけられず、ホメオスタシスとドリームキラーによって現状に引き戻され、人生を現状の延長線上に留めてしまう可能性が高いのです。
コーチの存在は、クライアントが未来のゴール世界(W2)へとジャンプするために必要なエフィカシーという翼を与える役割を果たします。
