苫米地式コーチングと、一般的なコーチングやコンサルティング・カウンセリングとの間には、「何を変えることを目的とするか」という根本的な哲学と、「脳の機能をどう利用するか」という手法において、明確な違いがあります。
苫米地式コーチングは、単なる目標管理や問題解決ではなく、「人生を丸ごと変える」メソッドとして、次世代のパーソナルコーチングとして開発されています。
両者の違いを以下の5つの核心的な側面に分けて解説します。
1. 変革の対象:「自我」か「世界(ワールド)」か
一般的なコーチングや自己啓発が個人の内面に変化を求めがちなのに対し、苫米地式コーチングは「自我を書き換える作業を目的としない」ことを最大の原則としています。
| 側面 | 苫米地式コーチング | 一般的なコーチング(とされるもの) |
| 変革の目的 | ワールド(世界)の移行。現状の世界 (W1) から、心から望むゴールの世界 (W2) への移行を促す行為と定義されます,。 | 自我関数 p(考え方や信念)の直接的な書き換え。差別意識をなくすなど、意識的に自我を変えようと試みます,。 |
| 自我の変化 | W2への移行が成功した結果として、その新しい世界にふさわしい自我へと自動的に書き換わります,。自我を直接書き換えようとすると、ホメオスタシスが抵抗し、コーチングは失敗します,。 | 意識的に自我を変えようとするため、ホメオスタシスが「現状を維持しよう」と働き、元の自我(差別のある世界など)に戻ってしまいがちです,。 |
2. ゴール設定の基準:「現状の延長線上」か「現状の外側」か
ゴールの設定場所に対する厳格さも大きな違いです。
苫米地式コーチング: ゴールは必ず「現状の外側」に設定することが必須です。これは、今の知識、スキル、リソースではどう頑張っても達成方法が想像もつかないレベルのゴールを意味します。
一般的な目標設定: 目の前の達成しやすいゴール(例:会社の部長になる、売上を1割増やすなど)を設定する傾向があります。これは苫米地式では「現状の延長線上」であり、脳のホメオスタシスが現状維持を優先するため、真の変革は起きず、世界は変わりません。
3. 関わる範囲:「内容」か「マインドの使い方」か
苫米地式コーチング: コーチは「クライアントのコンテンツ(ゴールの内容)にかかわらない」というルールを徹底します。コーチの役割は、マインド(脳と心)の使い方の技術を提供し、クライアントが自ら方法を見つけられるようにサポートすることです。
一般的な手法: コンサルティングやカウンセリングのように、具体的な経営課題やゴールの内容、達成方法(コンテンツ)についてアドバイスをしたり、悩みに寄り添ったりすることを推奨する場合が多いです。しかし、コーチがアドバイスをすると、そのコーチの限界がクライアントの限界になってしまう可能性が高くなります。
4. 時間軸の焦点:「過去」か「未来」か
苫米地式コーチング: コーチはクライアントの未来にしか関わりません,。セッション中にクライアントが過去について話し始めても、「過去はあなたの未来に一切関係ない」と伝え、話題を変えるよう促します。これは、「昨日までに起きたことは、明日起きることに1%も関係ない」と考える原則に基づいています。
一般的な手法: カウンセリングなどは、過去の出来事やトラウマ、実績を詳細に扱うことで、現状の問題を解決しようとします。
5. コーチの役割:「エフィカシーの徹底的な向上」と「不安の受容」
コーチングの中心的な作業と、クライアントとの向き合い方も異なります。
苫米地式コーチングのコーチ: エフィカシー(ゴール達成能力の自己評価)を徹底的に高めることに尽きます,。また、現状の外にゴールを設定する過程で生じるクライアントの不安を、正しいものとして受け入れ、それでも頑張り続けることを推奨します(安心を与えることはコーチの仕事ではない)。
一般的なコーチ/カウンセラー: 多くのコーチングでは、クライアントの悩みを聞き、気持ちに寄り添い「元気つけよう」としますが、苫米地式ではこれはコンテンツに関わる行為とみなし、避けます。
つまり、苫米地式コーチングは、クライアントが心の底から望む(Want to)エフィカシーの構築を支援します。
