「現状の外側にゴールを設定しましょう」と言われても、「でも、その外側が見えないんです」という声をよくいただきます。
これは当然の感覚です。なぜなら、スコトーマ(心理的盲点)の働きによって、今の自分には「重要ではない」と判断されたものは、文字通り見えなくなっているからです。現状の外側のゴールは、自分一人ではなかなか見えてきません。
では、どうすれば見えるようになるのか。4つの方法をお伝えしますね。
① 利他性(抽象度)を高める
「現状の外側のゴール」を見るための、最も強力な条件が利他性を高めることです。
コンフォートゾーンとは、基本的に「自分のため」に設計された空間です。自分の利益や欲望を中心に考えている限り、思考は現状の内側に留まり続けます。
でも「他の人のため」「社会のため」という視点を取り入れた瞬間、自分の自我から少し離れることができます。すると、今まで見えていなかった可能性が開けてくる。
たとえば「自分がお腹いっぱいになりたい」より「世界から飢餓をなくしたい」という視点の方が、はるかに現状の外側にあります。高い視点(高い抽象度)を持つほど、見える世界が広がる——これが苫米地式コーチングで「バランスホイール」に「抽象度」のカテゴリーが追加されている理由の一つです。
② 本音(Want to)の声を聞く
見えないゴールを探すとき、「コーチに言われたから」「世間的にそれが立派だから」という声ではなく、自分の心の声を聞く必要があります。
私たちは生まれてから今まで、親や学校や社会からたくさんの「こうあるべき」を受け取ってきました。それが知らず知らずのうちに「自分の本音」のように感じられていることがあります。
「誰に止められても、それでもやりたいか?」——この問いに答えられるもの。それが本音のゴールです。お金のことも、仕事のことも、心からやりたい(Want to)ものでなければ、コーチングのゴールとしては機能しません。
③ 物理的に現状から外れてみる
頭の中だけで考えていても、スコトーマはなかなか外れません。そんなときは、物理的な行動を変えてみることが助けになります。
いつもは読まないジャンルの本を読む、行ったことのない場所へ行く、普段は会わない人と話す——そういった小さな「現状からのズレ」が、新しいゴールの「尻尾」を掴むきっかけになることがあります。
そこで感じたこと、心が動いたことを、コーチングのセッションでフィードバックしていくことで、ゴールが少しずつ見えてきます。
④ コーチという「外部の目」を借りる
自分一人ではどうしてもスコトーマが外れません。なぜなら、見えていないものは見えていないから。これがスコトーマの本質的な難しさです。
だからこそコーチが必要です。コーチはあなたの外側から見ているので、あなたのスコトーマの外側を見ることができます。「それはまだ現状の内側ですよ」「もっと大きなゴールがあるかもしれませんよ」——そういった声がけが、あなたを現状の外へと引っ張り出してくれます。
自分の殻を破るカギは「利他性」
見えないゴールを見えるようにするためのキーワードは、利他性です。
自分一人の幸せや利益を考えているうちは、現状の延長線上の未来しか見えません。でも「もっと多くの人が幸せになるためにはどうすればいいか」という視点を持った瞬間、スコトーマが外れはじめます。
見えていなかったものが見えてくる瞬間——それは必ず訪れます。その準備が、コーチングのセッションの中で育まれていきます。
