コーチングを学んでいると、「バランスホイール」という言葉に出会う人も多いかと思います。
「仕事のゴールは決めた。でも、それだけでいいの?」
そんな疑問を持ったあなたへ。今日は、苫米地式コーチングで使う「バランスホイール」について、丁寧にお伝えしていきますね。
バランスホイールって何?
バランスホイールとは、人生のあらゆる分野に「現状の外側のゴール」を設定するためのツールです。仕事だけ、お金だけ、といった一点集中型ではなく、全方位にゴールを持つことで、今いる「コンフォートゾーン(現状)」を丸ごと移行させることができます。
特定の分野だけゴールを持っていると、他の分野がブレーキになってしまうことがあります。たとえば、仕事のゴールがあっても、家族との関係がうまくいっていなかったら?健康が崩れていたら?
だからこそ、人生全体のバランスを見ながらゴールを設定することが、コーチングでは大切なんです。
カテゴリーは大きく3グループで理解すると、スッキリ整理できます。
グループ①「潤滑油」の2つのカテゴリー
この2つは、人生の「目的」ではなく「手段」です。他のゴールを叶えるための潤滑油と捉えてください。
ファイナンス(お金・収支)
ファイナンスとは、「支出より収入が多い」状態のことです。「えっ、お金ってゴールじゃないの?」と思った方もいるかもしれません。
苫米地式コーチングでは、お金そのものがゴールになることはありません。大切なのは、「自分がやりたいことを実現するために、どれだけのお金が必要か」を逆算すること。職業や社会貢献というゴールを達成するための、必要十分な資金が「ファイナンスのゴール」になります。
ちなみに、付加価値を生まない転売のような「不労所得」は、経済を破壊する行為として否定されています。自分がやりたいと思える方法で、かつ他の人の役に立つ方法でお金を作ることが前提です。
健康(ヘルス)
健康も「ゴールのための潤滑油」です。どんなに素晴らしいゴールを持っていても、身体が動かなければ叶えられません。
大きなゴールを持てば持つほど、必要な体力や健康レベルも変わってきます。「このゴールを達成するためには、自分はどんな状態でいる必要があるか?」そこから逆算して、健康のゴールを考えてみてください。
グループ②「基本的な生活領域」の6つのカテゴリー
人生を構成する主要な領域です。すべて「Want to(本当にやりたいこと)」でゴールを設定します。
職業(ジョブ)
「職業のゴール」というと、給料や役職を思い浮かべる方も多いかもしれません。でも苫米地式では少し違います。
定義は、「自分は社会に対して、どんな機能(価値)を提供するか」です。「自分は世の中の役に立つために何をする機能なのか」を問い直すイメージ。そして、その機能を提供する社会の範囲を広げることが、「現状の外側」への拡張になります。
趣味(ホビー)
趣味は、「他の人の役に立たなくても、自分が純粋に楽しいこと」でOKです。最初は自分が楽しむだけで十分。
でも抽象度が上がると、「その楽しみを他の人にも分けてあげたい」「この業界をもっと良くしたい」という視点が自然と加わってきます。釣りが好きなら、ただ魚を釣るだけじゃなく、海の環境保全も考えるようになる、というイメージです。
家族(ファミリー)
パートナー、親、子どもなど、大切な人たちとの理想的な関係性です。
「家族をお腹いっぱいにしたい」という想いが、「地域の人も」「日本の人も」「世界中の人も」と広がっていくと、社会貢献や抽象度のゴールへと自然につながっていきます。
生涯学習(ライフロングラーニング)
仕事に直接役立たなくても、「脳を成長させ続けるための学び」です。人間の知性を高め続けることは、それ自体に価値があります。好奇心の赴くままに学び続けることが、このカテゴリーのゴールです。
社会貢献(ソーシャルコントリビューション)
見返りを求めず、ただ社会を良くするための活動です。職業(機能提供)とは別に、純粋な利他性から行動すること——これが社会貢献のゴールです。
人間関係・地域社会(コミュニティ)
ゴールを達成するために必要なネットワークやコミュニティのことです。地元の地域だけでなく、より広い範囲を包括したゴールを持つことが理想です。
グループ③「三位一体」の3つの新カテゴリー
新しい苫米地式コーチングで追加されたのが、この3つです。「抽象度・リーダーシップ・エソテリシティ」は3つで1つとして機能し、バランスホイール全体の羅針盤となります。
抽象度(アブストラクション)
抽象度とは、シンプルに言うと「利他性」のことです。「自分だけでなく、社会全体・世界全体の利益になっているか」を確認する、セルフコーチのような役割を持ちます。
「家族の幸せ」→「地域の幸せ」→「日本の幸せ」→「世界の幸せ」と視点を上げていく。そのガイドになるカテゴリーです。
リーダーシップ(リーダーシップ)
ここでいうリーダーシップは、権力で人を動かすことではありません。「高いゴールを掲げ、それに共感してくれる仲間を集める力」です。
「こんな世界を作りたい!」というゴールに、自発的に人が集まってくる状態。そのためには、ドリームキラーに負けない高いエフィカシー(自己評価)が欠かせません。
エソテリシティ(倫理・美学)
エソテリシティとは、直訳すると「密教」。日本語に訳すなら「自分を律する倫理と美学」です。
「お金さえ儲かればいい」という拝金主義に陥らないための、自分の中の「超えてはいけないライン」を持つこと。リーダーとして自己犠牲(サクリファイス)ができるのも、このエソテリシティがあるから。自分が信じるものを持つことが、大きなゴールを支える土台になります。
バランスホイールを使いこなすために
まとめると、バランスホイールの各カテゴリーに「現状の外側」かつ「Want to(本音)」のゴールを設定することが大切です。
・職業で社会に機能を提供する
・ファイナンス・健康はそのための潤滑油
・抽象度・リーダーシップ・エソテリシティで高い視座と倫理観を持つ
この3軸が揃ったとき、あなたは今いるコンフォートゾーンを丸ごと移行させ、新しい自分へと変わっていくことができます。
「人生のどれかを犠牲にしなければいけない」なんてことはありません。バランスホイールを使えば、仕事も、家族も、趣味も、社会貢献も——ぜんぶ手に入れる未来を目指せるんです。
